忠文さん(40歳)のおしっこにまつわる体験談
夏の午後、真夏の太陽を避けるように俺は市立博物館へやってきた。
冷房の効いた館内に足を踏み入れると、外のむっとした空気が嘘のようにひんやりとしていてほっとした。
今日は特別展『水と人の歴史』が開かれている。ただ、俺は何かの勉強をしたかったというわけではない。
動物の剥製やよくわからない石などの展示物を見て時間を潰したかったのと、外は暑いので建物の中で冷房に当たりたかったというのがある。
しかし最も大きいのは、自由研究の題材探しや暇つぶしにやってきている女の子の、生足を拝見することだ。俺は脚フェチなのだ。
「ねえねえ、この桶、大きくない? スイカ何個入ると思う?」
「えー、十個くらい? でもこれ、井戸から水をくむやつじゃない?」
「そうなの? 重そうだからあたし持てないな」
小学校高学年ぐらいの女の子たちが2人、展示物のところで喋っている。2人とも結構かわいい。当たりだな。追いかけよう。
1人の子はショートパンツ姿で、もう1人は短いスカート。どちらもすらりと伸びた脚を大胆に晒して歩いている。少し日に焼けた肌の色が健康的なエロさを感じさせ、細い足首がまたキュートだ。
(ふう……たまらんな。撮影したいぐらいだが、警備員でも呼ばれてはまずい。記憶して帰るか)
展示室には水車や井戸の模型、江戸時代の用水路の絵図が並んでいる。郷土の歴史について学べるフロアだ。女の子は割と興味がありそうに展示品を覗き込み、解説パネルを読んでいる。
俺はつかず離れずぐらいの距離を保ちながら、女の子たちの後に続くように展示品を見ていく。
「昔の人々は水をとても大事にしてきました、かぁ」
「まあ、そうだろうけど、この町って昔に洪水があったじゃん」
「えっ、そうなの?」
俺は住人として一応それぐらいは知っていたが、スカートの子は知らなかったようで驚いていた。ショートパンツの子の方が結構詳しいようだ。
「うん、順路に従ったら年代が新しくなるから、その説明もあるかもよ」
彼女たちが先へ進んでいく。展示品の奥を見ようと身体を伸ばしてスカートの中が見えそうになったり、しゃがんでじっくり見ているときに太ももが露わになったりして、今晩のおかずに事欠かないぐらいの奔放さを見せつけてくれた。綺麗な脚は本当に見応えがある。
順路を進むと館内は少し暗くなり、大きなスクリーンのある映像コーナーが現れた。部屋でスクリーンに投影される映像を座って見るのだ。
『近年の水害』と書かれたパネルの下には『上映時間およそ10分』とある。
「あっ、ここで洪水の話があるみたいだね。ちょっと見ていく?」
「う、うん……」
ショートパンツの子がそう言って席に座った。自分の言っていたとおりに町の洪水について映像で紹介されているので、説明の手間が省けると思ったようだ。スカートの子もその隣に腰掛け、スクリーンを見上げた。
俺も何食わぬ顔をして、近くのパネルを頷きながら見たりスマホに目を落としたりしつつ、女の子たちの斜め前に座った。
こういうシアター的な場所だと、場所をよく考えないと女の子たちの脚を拝むことができない。後ろからだと椅子に阻まれて見えないし、隣に座るわけにもいかない。
「あれ、マイちゃん大丈夫? お手洗い行ってきた方がいいんじゃ……」
「ううん、もう始まっちゃうし、次の回を待ってると凄い時間が経っちゃうよ」
女の子たちの気になる会話がある。俺は座ったままで後ろの方をさりげなく確認する。何人ぐらい来ているのかを見て確かめていますよ、という気持ちになって会場を見渡すのだ。その際に何度か女の子の位置や脚を確認する。これならば自然だ。
スカートの子が幾分かもじもじしている。 これはおしっこを我慢しているみたいだ。ぐう、隣に座ってその太ももをさすりさすりしてあげたいぞ。絶対に捕まるが。
部屋が暗くなり、映像は穏やかな川の風景から始まった。しかし次の瞬間に場面が切り替わり、空がどんよりと黒くなる。
激しい雨が川面を叩き、濁った水が一気に増えていく。ドドドドと低い音が館内に響いた。ナレーションによると、このとき川の堤防を越えた水が町へと押し寄せていったそうだ。
「うわあ……」
俺も少しばかり瞬きを忘れて見入った。映像の中では人々が膝まで水につかりながら避難している。車が流され、木造の家の壁が崩れる。全てが茶色い水に呑まれていく。
女の子たちの反応を見たいところだが、部屋が暗い上に後ろを向くもっともらしい理由もない。映像に集中だ。
終盤にさしかかる。再び映像が切り替わり、カメラが水に浸かった町を空から映していた。屋根の上で手を振る人たちや漂うボート、泣きじゃくっている子どもなどが映し出されて悲壮感が凄まじい。
しかし確か、これで洪水が終わった化と思っていたら、その翌日にも……?
「しかし、次の日に再び、悪夢が町を襲ったのです!!」
ナレーションが叫び、なぜか道ばたから町を映しているカメラに向かって濁流が襲ってきた!
ズゴゴオオオオオオオッ!
スクリーンいっぱいに水流が押し寄せて部屋に轟音が響く。なぜここで音量を馬鹿でかくするのか。とんでもないスペクタクル映像だ。安手のテーマパークを超える演出。
「ひいっ!」
俺も思わず驚いてしまった。ゴウゴウと鳴る水音が、自分の足元まで迫ってくるように感じる。こんなシアターみたいな設計がされていたとでもいうのか。スクリーンの中の茶色い濁流がもはや他人事ではなく、自分の周りを流れている気さえした。手のひらがじっとりと汗ばんでいく。
「あうっ、ああんんっ!」
そこで女の子の喘ぐような声がした。俺はそちらに気を取られる。少し部屋の他の客もざわめいた。
スクリーンでは水が引いた後の町の様子を映し、ナレーションは締めに入っている。この感じだともう30秒ほどで部屋が明るくなるのだろう。
おれはこっそりと席を立ち、身をを低くしながら女の子の方へ向かった。予感があったのだ。
部屋が明るくなった。映像が終わったということだ。俺は通路の脇から女の子たちの様子を伺う。
「あの水が来るところ、怖かったよね、マイちゃん。マイちゃん大丈夫?」
「ああんっ、ええ、えああっ……!」
ショートパンツの子も映像で驚いてまだ震えているようだが、スカートの子はもっとひどい。
涙を流している。しゃくり上げるように嗚咽して、隣の子に返事をすることもできない。

そして椅子の下にみるみるうちに水たまりが広がっていく。映像で驚きすぎたあまり、我慢していたおしっこを漏らしてしまったのか。
「いやあっ、いやあぁっ……!」
か細い声に俺は内心の興奮を抑えきれない。映像だけじゃなくて、こっちも洪水だなと非常に不謹慎なことを考えてしまった。
しばらくしてようやく泣き声が小さくなった。俺は股間から滴る尿と、おしっこに濡れた太もも、そして泣きじゃくる女の子を目に焼き付けてその場を離れた。
鼻をすすりながら女の子が喋り始めたようだが、もはやどうでもいい。
俺は男子トイレに駆け込み、個室で今見た光景を反芻しながら事を済ませた。
戻ってみると、部屋に清掃の人が入って女の子のおしっこを掃除していたが、女の子たちの姿はなかった。ちょっと残念である。
その日、帰り道の青空は澄んでいた。俺はこの日見た洪水について、当分の間忘れないように心に刻んだ。



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